群馬県のJA邑楽館林農産物直売所「ぽんぽこ」にて、2日間の刃物研ぎ催事を開催いたしました。
3週間ほど前に同じJA邑楽館林の「でんえんマルシェ」さんでも催事を行ったばかりだったのですが、嬉しいことにその際お越しくださったお客様が、今回もネットでスケジュールを調べて再び訪れてくださいました。
初日の朝一番、「待ってました!」とばかりの満面の笑顔でご来店くださったのは地元の植木屋さん。
でんえんマルシェで1本だけ研がせていただいた植木バサミの研ぎ上がりをたいそう気に入ってくださったようで、今回は大量の植木バサミを抱えて「ぽんぽこ」まで足を運んでくださいました。

普段はご自身で道具を研いでおられるものの、どうしても切れ味の持ちが悪く、新しく買って…どんどん道具が増えて行くばかりで、悩んでいたそうで、今回改めてプロの研ぎの違いを感じていただけたとのことです。
わざわざピンを外して使用されていたのが印象的で、前回のことをよく覚えていたため、そのお話をするとさらに喜んでいただけました。
「本当に良い研ぎ屋さんに出会えた!」と満面の笑顔で言っていただき、研ぎ師としてこれ以上にない喜びを感じました。
ところで、植木バサミの研ぎは一見簡単に見えて意外に難しいものです。
特に、素人の方が日々の手入れや使用方法を誤ると、刃の咬み合わせが歪んでしまうことが多くあります。
その点、植木屋さんは植木バサミを使いこなすプロなので、研ぎやすく、状態も良いことが多いです。
一方で、芝刈りバサミと刈込ばさみを混同してしまい、木を切ってしまう方も少なくありません。


見た目が似ているとはいえ、刃の立て方や咬み合わせはまったく異なりますので、木を切ってしまえば当然切れ味が悪くなってしまいます。
また、今回とても印象的だった植木バサミをお持ちになられたお客様。
咬み合わせの開き具合から、「少し無理な太さの枝を切っていませんか?」とお尋ねしたところ、取りに来られる際に普段切っている枝を2種類お持ちくださり、研ぎ上がったハサミで実際に切っていただくことに。
試したところ細い枝は問題なく切れるものの、太い枝は少し苦労されていたので、「もっとハサミを開いて根元で切ってみてください」とアドバイスさせていただきました。
すると、驚くほど簡単に切れ、お客様も感動のご様子。正しい使い方を少し工夫されるだけで道具がさらに活きる瞬間を、共に感じることができました。
さらにそのお客様は翌日も別の刃物をお持ちくださいました。
「研ぎ屋さん、優しそうだから昨日枝持ってきてみたら、親切に使い方まで教えてもらえて本当に嬉しかった、だから他の刃物もぜひお願いしたくて」
と、嬉しいお言葉をいただき、こちらこそ励みをいただきました。
普段お客様がどのような物を切っておられるのか、実際に拝見できたことで、私も多くを学ぶ機会となりました。
たくさんの方々にご来店いただき、また次回の催事で皆さまとお会いできることを楽しみにしております。
さて、明日からは。
📅 開催日:11/10(日)〜11(月)
⏰ 時間:9:30~17:00 (11日は16:00受付終了)
📍 場所:JA佐波伊勢崎百菜館
お近くの方、お気軽にお越しください。皆さまのお越しお待ちしております!
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